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(募集終了)連続講座「鎌倉の文化財、その価値と魅力~比較研究から見えたもの~(中間報告)」第5回「鎌倉の神社について~鶴岡八幡宮を中心として~」参加者募集

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、「武家の古都・鎌倉」のイコモスによる不記載勧告、推薦取り下げ後、「鎌倉」の価値を再度掘り下げ、確認するため、平成26年度から比較研究を中心とした基礎的な調査研究を実施しています。平成27年度に引き続き、その成果を連続講座として中間報告します。

今回は、第5回として「鎌倉の神社について~鶴岡八幡宮を中心として~」をテーマに、鶴岡八幡宮境内で本宮や舞殿などの外観を実地に解説し、その後、横浜国大附属鎌倉中学校に移動し、スライド等を使いながら国内類似資産との比較研究成果について報告します。ぜひご参加ください。

【第5回の詳細】
1 開催日時 平成28年12月25日 日曜日 午前10時から正午
2 開催場所 【実地解説】鶴岡八幡宮(鎌倉市雪ノ下2-1-31)
       【報告会】横浜国大附属鎌倉中学校 会議室(鎌倉市雪ノ下3-5-10)
3 募集人数 100人
4 参加費  無料

【応募チラシ】
ダウンロードしてご覧いただけます。
連続講座チラシはこちら(PDF:335KB)
申込書はこちら(PDF:67KB)

【応募方法】 
住所・氏名(同伴者含む)・電話番号・ファックス番号またはEメールアドレス(あれば)を記載の上、郵送、ファックス、Eメールか直接窓口、12月12日(必着)までに鎌倉市歴史まちづくり推進担当へ。 

●電話: 0467-61-3849
●FAX: 0467-23-1085
●住所:〒248-8686 鎌倉市御成町18-10
●E-mail:rekimachi@city.kamakura.kanagawa.jp

応募者多数の場合は抽選。結果は12月16日までに応募者全員に通知します。
なお、抽選は申込みいただいたグループ単位で行います。

hachimangu

講演会「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり」の講演記録について

平成27年度、神奈川県・横浜市・鎌倉市・逗子市世界遺産登録推進委員会では「鎌倉」の世界文化遺産への再推薦・登録に向けた普及啓発事業の一環として、「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり」をテーマにした講演会を平成28年2月11日に開催しました。
実施結果についてはこちら
(講演会「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり」の実施結果について)

このたび、講演記録をまとめました。
講演記録は、ダウンロードしてご覧いただくことができます。

hyoushi

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連続講座第4回「やぐらの広がり」の実施結果について

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、「武家の古都・鎌倉」のイコモスによる不記載勧告、推薦取り下げ後、「鎌倉」の価値を再度掘り下げ、確認するため、平成26年度から比較研究を中心とした基礎的な調査研究を実施しています。その成果を連続講座として中間報告しました。

第4回の内容

平成27年度に続く第4回は、平成28年6月26日(日曜日)に、「やぐらの広がり」をテーマにして、鎌倉独特の宗教空間を構成する希有な遺構であるやぐらについての説明を行いました。午前の部・午後の部ともに定員を大幅に上回る応募があり、初夏の暑い中、大勢の方が参加されました。

浄光明寺境内にて。大勢の方が参加されました

浄光明寺境内にて。大勢の方が参加されました

ご住職と参加者

浄光明寺の大三輪御住職のお話に熱心に耳を傾ける参加者の方々

あじさいとやぐら

階段を上って、いざ、網引地蔵やぐらへ

階段を上って、いざ、網引地蔵やぐらへ

網引地蔵やぐら内部の様子

網引地蔵やぐら内部の様子(通常は内部の立入禁止)

逗子市教育委員会 佐藤仁彦による実地解説

逗子市教育委員会 佐藤仁彦係長による実地解説

やぐらの入口の様子

やぐらの入口の様子

【第2部】中間報告

逗子市教育委員会の佐藤仁彦係長より、27年度に実施した比較研究結果についてスライド等を用いながら以下の報告を行いました。

やぐらとは何か?
  • 切り落とした崖面に平面方形(長方形)の横穴を掘り、石塔や石仏を建てて供養する中世の石窟。
  • 床面や石塔内に穴を穿って納骨するものが多い。
  • 規模が大きく、仏殿や座禅窟等として機能したと考えられる窟もある。
  • 主として13世紀後半頃から15世紀頃に営まれた(後世まで供養が続く例もある)。
やぐらの構造
  • 出入口にあたる羨道、平面方形もしくは長方形の玄室(主室)を持つのが一般的。
  • 天井部は平天井が主で、切妻屋根を模した家型(船底型)等もある。
  • 床面は平坦で、奥壁・側壁に沿って壇を設ける場合もある。
  • 壁近くあるいは玄室中央の床面に穴をあけ、納骨して石塔や石仏を建てる。 壁面に石塔等をレリーフする例もあるが少ない。
  • 壁面は基本的に垂直。奥壁や側壁に龕や長押状の掘り込みを作り納骨する場合もある。
  • 木製扉等で閉塞した痕跡、内部に柱や梁を設け木造堂としたと思われるものもある。
三方に壇を持つやぐらの例(まんだら堂やぐら群)

三方に壇を持つやぐらの例(まんだら堂やぐら群)

図1_600x530

国内の中世石窟遺構の分布
  • 上総・安房(千葉県富津市、館山市、南房総市他)多数
  • 陸奥(宮城県松島町)瑞巌寺ほか
  • 加賀(石川県小松市)滝ヶ原町八幡神社
  • 能登(石川県志賀町)地頭町中世墳墓窟
  • 越中(富山県高岡市)円通庵遺跡
  • 豊前(福岡県豊前市)如法寺、夫婦木ほか
  • 豊後(大分県大分市)曲石仏、少林寺、(大分県豊後大野市)普済寺跡ほか
中世石窟遺構分布図

中世石窟遺構分布図

寺院境内の例(東林寺跡)

寺院境内の例(東林寺跡)

山稜部に群在するやぐらの例(まんだら堂やぐら群)

山稜部に群在するやぐらの例(まんだら堂やぐら群)

上総・安房(千葉県)のやぐら

図9_600x440

やぐらの分布詳細図

やぐらの分布詳細図

千手院やぐら群(館山市)

千手院やぐら群(館山市)

善性寺やぐら群(南房総市)

善性寺やぐら群(南房総市)

水岡やぐら群(館山市)古墳時代の横穴を利用したやぐら

水岡やぐら群(館山市)古墳時代の横穴を利用したやぐら

七ツやぐら群(南房総市)山稜部に群在するやぐら

七ツやぐら群(南房総市)山稜部に群在するやぐら

陸奥(宮城県)のやぐら

図13_600x440

円通院洞窟群(松島町)

円通院洞窟群(松島町)

雄島(松島町)

雄島(松島町)

加賀・能登・(石川県)、越中(富山県)のやぐら

図16_600x440

滝ヶ原八幡神社(小松市)

滝ヶ原八幡神社(小松市)

地頭町中世墳墓窟(志賀町)

地頭町中世墳墓窟(志賀町)

豊前(福岡県)・豊後(大分県)のやぐら

図19_600x600

夫婦木(豊前市)

夫婦木(豊前市)

曲石仏(大分市)

曲石仏(大分市)

普済寺跡(豊後大野市)

普済寺跡(豊後大野市)

整然とした玄室内部(普済寺跡)

整然とした玄室内部(普済寺跡)


国内各地の遺構を通観して

  • 形態的な異同もあるが、基本的にやぐらと同様の性格を有すると考えられる遺構が各地に存在することを確認した。
  • 寺院との関わりを想定できる遺構や、水陸交通の要衝に立地する遺構が多く、それらの地域と鎌倉の関係が深いものと推測されるが、必ずしも明確ではない。
  • 房総を除き、鎌倉のように長期にわたって広範に造営されることはなく、一時的、局地的もしくは単発的なものに留まった。

現時点のまとめ

やぐらは、供養を主目的として中世の鎌倉とその周辺地域に盛行した施設で、鎌倉との何らかの関係性(法脈等)を足掛かりにこれを採用した地域もあったが、各地に広く拡散(普遍化)することはなかった。
やぐらは、谷戸-山稜部の自然地形を活かしつつ形成された、鎌倉に独特の宗教空間を構成する稀有な遺構である。


>>連続講座第1回「鎌倉から始まった禅宗寺院」の実施結果について
>>連続講座第2回「禅宗様建築の成立と発展」の実施結果について
>>連続講座第3回「大仏様の来た道」の実施結果について

講演会「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり」の実施結果について

「鎌倉」の世界文化遺産への再推薦・登録に向け、神奈川県・横浜市・鎌倉市・逗子市世界遺産登録推進委員会では、平成27年度の普及啓発事業の一環として、「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり」をテーマにした講演会を平成28年2月11日に開催しました。
当日は、「鎌倉」がこれから取り組むべきことについて、文化財保存修理会社社長で観光や文化財の活用について多くの著作があるデービッド・アトキンソン氏に、たいへん興味深い講演をしていただきました。
また、社寺関係者等とのパネルディスカッションを通じて、これからのまちづくりに必要な課題を抽出することができました。さらに、県立鎌倉高等学校の生徒さんたちによる、「かまくら学」の研究発表も行われ、活気に満ちた講演会となりました。

【日時】平成28年2月11日(木曜日・祝日)午後1時~4時
【会場】鎌倉生涯学習センター ホール
【参加者人数】170名(申込受付人数193名)

小林昭会長

4県市世界遺産登録推進委員会会長、小林昭(鎌倉市副市長)による開会の挨拶

第1部 「かまくら学」の成果発表

講演会は3部構成で行われました。
第1部は、神奈川県立鎌倉高等学校生徒3名が、「かまくら学」の成果発表を行いました。「かまくら学」とは、武家の古都鎌倉に位置する県立鎌倉高等学校により「県立高校における『かながわ学』のシステムづくり」というテーマで始まった研究です。具体的な活動としては、鎌倉の歴史・文化や産業・交通など、さまざまな角度からの鎌倉研究を行うほか、遺跡の保存活動等に係るボランティア活動や鎌倉祭りへの参加など、地域との協働による活動を行っています。
3名の生徒はそれぞれ、次のテーマについてスライドを用いて発表しました。

村山さん「古民家の魅力にせまる」
宮城さん「鎌倉と環境・資源・エネルギー」
飯田さん「『吾妻鏡』について」
(神奈川県立鎌倉高等学校)

村山さん

村山さん 古民家の魅力を、興味深く取り上げてくれました

>>村山さんの発表資料「古民家の魅力に迫る」(PDF:256KB)


宮城さん

宮城さん 環境やエネルギーといった多面的な要素が盛り込んでくれました

>>宮城さんの発表資料「鎌倉と環境・資源・エネルギー」(PDF:540KB)


飯田さん

飯田さん 「吾妻鏡」について掘り下げた調査をしてくれました

>>飯田さんの発表資料「『吾妻鏡』について」(PDF:232KB)


第2部 アトキンソン氏による講演

株式会社小西美術工藝社社長で、観光や文化財の活用について多くの著作があるデービッド・アトキンソン氏に講演いただきました。

>>アトキンソン氏のプロフィール(PDF:136KB)

アトキンソン氏その1

アトキンソン氏の講演の主旨

  • 日本は人口が急激に減っているため、今までのやり方では収入を維持できない。そこで観光収入を伸ばすことが解決策になる。観光の視点からも歴史的遺産や文化財を活かすことが重要になってくる。
  • 観光資源(文化財など)を発信するだけでなく、磨く必要がある。見る人の立場に立って丁寧に説明しないとその素晴らしさは伝わらない。
  • 鎌倉のまち並みは工夫する必要がある。来てもらう人へのサービスとして建物の表だけでも工夫した方がよい。鎌倉のまち並みを歩いて中世を感じる人はいない。古都として復元できるものはした方がいいのではないか。
  • 鎌倉は中世の歴史の宝庫といっているが、それを説明する場所があってしかるべき。音声やパネル、動画など。
  • 歴史の舞台としての神社仏閣で、その価値の説明がきちんとされているかというとまだまだである。建物の説明であれば、技術的なこと、何でできているなどの説明に終始していることが多い。その本質や意味合いなど、人間を中心とした説明をすべき。
  • 解説の意味合いは満足だけでない。滞在時間も長くなるので、観光収入が増える。
  • 観光の一番のポイントは多様性である。鎌倉はもともとの資源はたくさんある。文化財だけではなく、自然や海、街並み、博物館などを整備して楽しみを増やしていけばよい。
  • 説明板などについて、英語表記さえあればよいというものではない。中身がなければだめ。鎌倉の歴史の良さを理解してもらうためのセリフ作りが重要である。
  • よくごみ箱を設置せず「ごみを持って帰りましょう」というが、人を家に呼んでもてなして、帰りにごみを渡すことをするだろうか。鎌倉で消費したものを、東京や、まして外国まで持って帰れというのはご都合主義でおかしい。

 

アトキンソン氏02

興味深いデータを駆使して、鎌倉のこれからについて講演されるアトキンソン氏


第3部 パネルディスカッション

第3部では、アトキンソン氏の講演を受けて、社寺関係者の方々や「かまくら学」の成果発表を行った生徒3名によるパネルディスカッションを行いました。パネリストの方々は以下の通りです。

デービッド・アトキンソン氏(株式会社小西美術工藝社社長)
佐藤孝雄氏(鎌倉大仏殿高徳院住職)
朝比奈惠温氏(浄智寺住職)
仲田順昌氏(覚園寺副住職)
加藤健司氏(鶴岡八幡宮教学研究所所長)
村山さん(神奈川県立鎌倉高等学校)
宮城さん(神奈川県立鎌倉高等学校)
飯田さん(神奈川県立鎌倉高等学校)
コーディネーター 桝渕規彰(鎌倉市歴史まちづくり推進担当担当部長)

 

パネリスト

8名のパネリストによるディスカッションの様子

アトキンソン氏の講演を受けての感想・意見

村山さん
おもてなしを動機に観光する人はいないということに納得した。鎌倉の歴史をまずは自分がしっかり勉強して、来る人に伝えられるようにしなければならない。

宮城さん
説明板は、まず日本人が見てよいと思えるパネルにしないといけない。鎌倉駅を出てすぐ古都を感じられない、鎌倉に来たと感じさせるまち並みが必要という意見に共感する。

飯田さん
日本遺産で今あるものを磨いて世界遺産を目指すとよい。

佐藤氏
誤解を恐れずに発言させて頂くなら、自分たちが暮らすまちの価値は自分たちではわからない。その評価には他者の目が必要ということに改めて気付かされた。ただ、本講演会の主題であるまちづくりを観光資源化という観点のみから論じることには疑問も感じざるを得ない。

朝比奈氏
わかっていること、やればできるが先送りにしていることについての指摘が多かった。ただ、宗教者として譲れないところもある。

加藤氏
八幡宮ではすでに国際課を設置し、英語での教化の広報の取組を始めている。

仲田氏
多くを語らない鎌倉にあって、覚園寺は多くを語る寺。ガイド協会にも協力いただき、寺の境内を案内する参拝方式を30年続けている。世界遺産になってもならなくても寺として守るものは変わらないと考えていたが、ダメと言われると悔しい、良いと言ってほしいという気持ちもある。

パネリスト02

左から、飯田さん、宮城さん、村山さん、仲田氏、加藤氏、朝比奈氏、佐藤氏、アトキンソン氏、桝渕部長


「日本の拝観料は諸外国に比べて安い」
というデータ(アトキンソン氏)についての意見

アトキンソン氏
日本は今まで安売りで人を多く集めることに重点を置いてきた。高くして、人数が減ったとしても高くした分すべて減ることはない。増収になる。その分、文化財の保護やサービスの充実にお金を回せる。説明については、来る人がどう思うかということが重要。多様性があってしかるべきなので、社寺によって説明の多い少ない、拝観料の高い、安いも選択肢があってよいとは思う。

加藤氏
寺院は檀家さんと一定の関係を保ってきた場所かもしれないが、神社は鎮守とか産土うぶすな
というように地域とかかわりを持つ場所であり、拝観料はとらないのが通例。特別な例としては日光東照宮がある。

朝比奈氏
国際水準に合わせて高くすればよいというものではないと思う。来る人に対して親切にしていくことで、価値を理解して喜んで来ていただけるようにしたい。満足感をどう持っていただくかである。

佐藤氏
高徳院は鎌倉で最初に有料拝観を始めた寺院。もっとも、有料拝観の開始以来、入場料は一貫してJR(旧国鉄)の入場料と同程度に抑えている。大仏像は文化財であると同時に、信仰の対象でもある。それだけに単に観光資源化の成否という観点から拝観料を云々することは慎むべきであろう。

アトキンソン氏
信仰の議論は海外でもある。ウエストミンスター寺院では昔は拝観料をとらなかったが、文化財として維持できなくなってきて任意で取ることになった。しかし払う人がおらず、結局強制になった。ただ、信仰する人だけが無料で入れる時間を設け、その時間は観光客は一切入れないようにしている。

パネリスト03

熱気あふれるディスカッションは、1時間近くにも及びました


松尾市長による閉会の挨拶

講演会の最後に、鎌倉市市長の松尾崇が「鎌倉の文化財をしっかり守り、より良いまちづくりにつなげていくというために、この講演会がとても良い機会になったと思っております。」と挨拶を述べて閉会しました。

松尾市長

松尾市長による閉会の挨拶


>>(募集終了)講演会「歴史的遺産と共生する、これからのまちづくり~世界遺産のあるまちをめざして~」参加者募集について

連続講座第3回「大仏様の来た道」の実施結果について

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、「武家の古都・鎌倉」のイコモスによる不記載勧告、推薦取り下げ後、「鎌倉」の価値を再度掘り下げ、確認するため、平成26年度から比較研究を中心とした基礎的な調査研究を実施しています。その成果を連続講座(平成27年度は全3回)として中間報告しました。

比較研究の必要性

比較研究とは?

何を比較するのか?

現在までの比較研究の進捗状況

第3回の内容

第3回は、平成28年3月27日(日曜日)に、「大仏様の来た道」をテーマにして、大仏殿高徳院境内を見学し、その後、客殿でスライド等を使いながら、鎌倉大仏の歴史や特徴、さらに発掘調査結果等についての説明を行いました。

第3回は、天候にも恵まれ103名の方が参加されました。

大仏01

境内での実地解説の様子


大仏02


大仏04


大仏03

【第2部】中間報告

鎌倉国宝館副館長の内藤浩之より平成26年度、27年度に実施している比較研究についてスライド等を用いながら以下の報告を行いました。

  • 鎌倉大仏との比較研究先である中国の雲崗石窟、龍門石窟、敦煌莫高窟、楽山大仏、大足石刻について、調査地の概要の説明。
  • 大仏の定義について、仏像の大きさを経典等に書かれたことから読み解いた説明。調査対象は10m前後以上とした。
  • 鎌倉大仏と比較研究を行った中国の作例との比較についての報告。
  • 大仏の来た道としては、北伝ルートと南伝ルートがあるが、仏教及び仏像が発生したインドには大仏がほとんど存在せず、聖地に対する周辺意識や権力・経済力が大仏の造像に大きく関係していると考えられる。
大仏スライド02

高徳院 佐藤ご住職よりご挨拶


客殿

100名以上の参加者で熱気のみなぎる会場内(客殿)


鎌倉国宝館内藤副館長

鎌倉国宝館 内藤副館長によるスライド解説

現時点のまとめと課題としては、以下の点が挙げられます。

  1. 鎌倉大仏は北伝ルートで伝来した巨大仏信仰のアジア東端の作例として貴重であること。
  2. 課題として、国内作例との比較や大仏造立にかかわる思想、配置、礼拝者との関係をさらに研究していく必要があること。

>>連続講座第1回「鎌倉から始まった禅宗寺院」の実施結果について
>>連続講座第2回「禅宗様建築の成立と発展」の実施結果について
>>連続講座第4回「やぐらの広がり」の実施結果について

連続講座第2回「禅宗様建築の成立と発展」の実施結果について

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、「武家の古都・鎌倉」のイコモスによる不記載勧告、推薦取り下げ後、「鎌倉」の価値を再度掘り下げ、確認するため、平成26年度から比較研究を中心とした基礎的な調査研究を実施しています。その成果を連続講座(平成27年度は全3回)として中間報告しました。

比較研究の必要性

比較研究とは?

何を比較するのか?

現在までの比較研究の進捗状況

第2回の内容

第2回は、平成28年2月21日(日曜日)に、「禅宗様建築の成立と発展」をテーマにして、円覚寺境内で山門や仏殿、舎利殿を見学し、その後、大書院でスライド等を使いながら、中国や国内の建築物との比較研究成果についての報告を行いました。

第1回に引き続き、定員を上回る応募があり、88名の方が熱心に講座を受講されました。

円覚寺境内

【第1部】実地解説

境内(山門、仏殿、舎利殿)を案内しながら、以下の点について解説を行いました。

  • 禅宗様建築について、山門、仏殿の各部位の説明。
  • 舎利殿の見学(外から)。

円覚寺境内


円覚寺舎利殿

舎利殿へ向かう途中、熱心に解説に耳を傾ける参加者の方々


円覚寺山門での実地解説

山門での実地解説

【第2部】中間報告

鎌倉市歴史まちづくり推進担当担当部長の桝渕規彰より平成26年度、27年度に実施している比較研究についてスライド等を用いながら以下の報告を行いました。

  • 舎利殿と国内外で現地調査を行った禅宗様建築、特に方三間の建築について詳細比較した成果について、比較表を見ながらの説明。
  • 中国の建築物との共通点と国内で舎利殿前後に造られた建築物との相違点についての説明。
  • 舎利殿と比較した国内外の建築物について、スライドの写真を用いながらの説明。国内の建築物については、4つの類型に分類。
円覚寺 朝比奈教学部長よりご挨拶

円覚寺 朝比奈教学部長よりご挨拶


円覚寺スライドそその1


円覚寺スライドその2

大書院にて、スライドを使用しての比較研究報告

現時点でのまとめとしては、以下の3点が挙げられます。

  1. 日本の禅宗様建築は、中国、特に江蘇省、浙江省の北宋から元にかけての時代の建築様式の諸要素を取り入れて成立した。
  2. 15世紀前半に建築された円覚寺舎利殿は、先行する永保寺観音堂や功山寺仏殿などの様式を、さらに繊細かつ精巧に進化させた禅宗様建築の典型・完成形と評価できる。
  3. 禅宗様建築は、円覚寺舎利殿を典型として、室町時代中期以降の安国寺釈迦堂、東光寺薬師堂、不動院金堂などに様式的変化(省略等)を伴いながら引き継がれ、日本における寺院建築様式として一般化し全国に拡散した。

>>連続講座第1回「鎌倉から始まった禅宗寺院」の実施結果について
>>連続講座第3回「大仏様の来た道」の実施結果について
>>連続講座第4回「やぐらの広がり」の実施結果について

連続講座第1回「鎌倉から始まった禅宗寺院」の実施結果について

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、「武家の古都・鎌倉」のイコモスによる不記載勧告、推薦取り下げ後、「鎌倉」の価値を再度掘り下げ、確認するため、平成26年度から比較研究を中心とした基礎的な調査研究を実施しています。その成果を連続講座(平成27年度は全3回)として中間報告しました。

比較研究の必要性

比較研究とは?

何を比較するのか?

現在までの比較研究の進捗状況

第1回の内容

第1回は、平成27年11月15日(日曜日)に「鎌倉から始まった禅宗寺院」をテーマにして、建長寺境内で禅宗寺院や庭園などを見学し、その後、応供堂にてスライド等を使いながら国内外類似資産との比較研究成果についての報告を行いました。

あいにくの天気でしたが、96名の方々が参加されて、たいへん熱のこもった講座となりました。

雨の中の参加者の様子

【第1部】実地解説

境内(山門、仏殿、法堂)を案内しながら、以下の点について解説を行いました。

  • 元弘元年(1331年)につくられた「建長寺指図」を見ながら、当時から主要伽藍が一直線上に並んでおり、現在も維持されていること。
  • 建長寺は、谷戸地形で平地が少ないため、山裾を垂直に切り下げ、中央部を埋め立てて敷地を確保する谷戸造成によって造られていること。
建長寺01

実地解説の様子


建長寺03

【第2部】中間報告

鎌倉市歴史まちづくり推進担当担当部長の桝渕規彰より平成26年度、27年度に実施していた比較研究についてスライド等を用いながら以下の点について報告しました。

  • 建長寺については、立地・造成、伽藍配置について、国内外の類似資産との比較研究を行った。
  • 比較を行った他寺院との相違点は、主に2点あること。狭隘な谷戸に立地し、山裾を垂直に切り落として境内を確保する造成は、鎌倉の寺院固有の立地及び造成法であること。さらに、方丈裏の曲池を伴う庭園は、建長寺から発生した日本独自のあり方である。
  • 比較を行った他寺院との共通点として、一直線上の主要伽藍の配置が挙げられる。京都五山をはじめとする国内大禅宗寺院は、南宋五山から導入された建長寺の伽藍配置に倣ったものである。
  • 現時点でのまとめとしては、建長寺の直線的な主要伽藍配置は、中国南宋五山との交流によって導入され、方丈裏庭園という新規の要素を交えて、我が国における伽藍配置の基本的在り方として大禅宗寺院に取り入れられ、現在も維持されている。この意味において、建長寺は日本における禅宗寺院の始まりである。
スライド02

建長寺 高井総長(当時)よりご挨拶


スライド03

神奈川県 人見部長より開会の挨拶


スライド01

応供堂にて中間報告をする桝渕部長


応供堂全体

応供堂の外観の様子


>>連続講座第2回「禅宗様建築の成立と発展」の実施結果について
>>連続講座第3回「大仏様の来た道」の実施結果について
>>連続講座第4回「やぐらの広がり」の実施結果について